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シロアリに炭は効果なし?床下に敷く前に知るべき真実

床下に炭を敷くとシロアリの予防になるという話を聞いたことがある方は多いかもしれません。湿気対策として竹炭や備長炭を床下に敷き詰めれば、シロアリが寄り付かなくなるのではないかと期待してしまいますよね。実際にホームセンターでも床下用の調湿炭が販売されていて、手軽にできる対策として注目されています。

ただ、私自身がいろいろ調べてみた結果として言えるのは、炭だけでシロアリを防げるかというと、残念ながらそう単純な話ではないということです。炭にはたしかに調湿効果がありますが、シロアリ駆除の代わりになるものではありません。むしろ、炭を敷いたから安心と思い込んでしまうことで、本当に必要な対策が後回しになってしまうリスクもあります。

この記事では、床下に炭を敷くことのメリットやデメリット、竹炭との違い、カビとの関係、さらに不要になったときの処分方法まで、シロアリと炭にまつわる情報をまるごと整理しました。床下の炭の価格帯やシロアリ駆除が本当に必要かどうかの判断基準についても触れていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ポイント

  • 床下に炭を敷いてもシロアリ予防にならない理由
  • 炭や竹炭を床下に使うデメリットとカビのリスク
  • 床下炭の価格相場やホームセンターでの入手方法
  • シロアリ駆除が本当に必要かどうかの判断ポイント

シロアリ対策に炭は本当に効果があるのか

床下に炭を敷けばシロアリを防げるという情報は、ネット上でもよく見かけます。でも実際のところ、炭にシロアリを忌避する力があるわけではありません。ここでは、炭がシロアリ対策として成り立つのかどうか、複数の角度から見ていきます。

床下に炭を敷いても意味ないと言われる理由

「床下に炭を敷いても意味ない」と言われることがありますが、これはシロアリ対策に限って言えば、かなり的を射た指摘です。炭は木材を高温で炭化させたもので、シロアリの主な栄養源であるセルロースがほぼ失われています。そのためシロアリが炭そのものを食べることは基本的にありません。

ただし、ここが誤解されやすいポイントなのですが、「炭を食べない」ことと「炭を避ける」ことはまったく別の話です。シロアリは炭を食べなくても、その上を通過して住宅の土台や柱に到達します。実際に、炭マットの上にシロアリの蟻道(移動用のトンネル)が作られていた事例も報告されています。

つまり、床下に炭を敷き詰めたとしても、シロアリの侵入経路をブロックすることにはなりません。炭が持っているのはあくまで調湿機能であり、防虫や殺虫の機能は備わっていないということですね。

炭はシロアリの栄養源にはなりませんが、忌避効果もありません。炭の上をシロアリが通過して住宅を加害する事例が実際に確認されています。

床下に炭を敷くデメリットとは

床下に炭を敷くこと自体にはメリットもあるのですが、デメリットも無視できません。まず考えておきたいのが、炭を敷くことで床下の通気を妨げてしまう可能性があるという点です。特に床下の高さが十分でない住宅の場合、炭を敷き詰めることで空気の流れが悪くなり、かえって湿気がこもりやすくなることがあります。

また、炭は吸湿した水分を放出する「調湿」の性質を持っていますが、放出がうまくいかない環境では湿気を抱え込んだままになります。こうなると、湿気対策のはずが逆効果になってしまうわけです。

さらに、業者によっては床下の炭敷設を高額な料金で提案してくるケースがあります。炭を敷くだけではシロアリ被害を防げないにもかかわらず、「これでシロアリ対策は万全です」と説明する悪質な業者も存在するため、契約前に冷静な判断が必要です。

床下に竹炭を使うデメリットと注意点

床下に使う炭としては竹炭が人気ですが、竹炭にも特有のデメリットがあります。竹炭は木炭に比べて多孔質で、表面積が大きい分だけ吸湿力が高いとされています。これ自体は長所なのですが、吸湿力が高いということは、それだけ湿気を溜め込みやすいという面もあるのです。

竹炭が十分に乾燥できない環境、たとえば通気が悪い床下や、地下水位が高い土地では、竹炭が常に湿った状態になりがちです。こうした状態が続くと、竹炭自体がカビの温床になってしまうリスクもあります。

加えて、竹炭はやや割れやすい素材でもあるため、長年使っているうちに砕けて粉状になることがあります。粉状になった竹炭は調湿性能が低下するだけでなく、床下の清掃も難しくなります。竹炭を使う場合は、不織布の袋に入ったマットタイプの製品を選ぶと扱いやすいですね。

床下の炭がカビの原因になるケース

「炭を敷いたのにカビが生えた」という話は実は珍しくありません。これは炭の調湿能力を過信してしまった結果として起こりがちなトラブルです。

炭は空気中の湿気を吸収する力を持っていますが、吸収した湿気を放出するためには、ある程度の通気と乾燥した空気の流れが必要です。床下の換気が不十分だったり、地面からの湿気の上がり方が極端だったりすると、炭は湿気を吸い続けるだけで放出ができなくなります。

こうなると、炭が水分を保持したまま「保湿材」のような状態になり、その周囲にカビが発生しやすくなります。さらに、炭の表面にはホコリや有機物が付着しやすく、これがカビの栄養源になることもあります。

炭を床下に敷いても、換気が不十分な環境ではカビの原因になることがあります。炭の設置前に、床下の換気状態を確認することが重要です。

カビが発生した床下は、住宅の木材を腐食させる腐朽菌の発生にもつながります。腐朽菌はシロアリを誘引する性質もあるとされていますので、炭を敷いたことが結果的にシロアリ被害のリスクを高めてしまうという皮肉な状況も起こりえるのです。

シロアリ駆除が必要ないケースの見極め方

シロアリ駆除は必要ないと考えている方もいらっしゃると思います。たしかに、すべての住宅でいますぐ駆除が必要というわけではありません。一般的に、以下のような条件を満たす住宅では、緊急性が低いと判断されることがあります。

駆除の緊急性が低い住宅の特徴

まず、新築から5年以内の住宅は、建築時に施された防蟻処理の効果がまだ持続しているため、追加の駆除が不要であるケースが多いです。建築基準法でも、木造住宅の地面から1メートル以内の木材には防腐・防蟻措置を講じることが求められています。

また、過去5年以内に専門業者による防蟻処理を受けている住宅や、鉄筋コンクリート造で木材の使用が極めて少ない住宅も、リスクは比較的低いと考えられます。

それでも油断は禁物

ただし、国土交通省の補助事業として行われた大規模調査では、築25年を超えた木造住宅の約2割にシロアリ被害が確認されているという結果が出ています(出典:国土交通省「既存住宅流通の現状と課題について」)。築年数が経つほど被害リスクは確実に上がるため、「うちは大丈夫」と思い込まず、定期的な床下点検を受けることをおすすめします。

最終的な判断は、シロアリ防除の資格を持つ専門業者に床下を実際に確認してもらうのが最も確実です。無料で床下調査を実施している業者もありますので、気になる方は一度相談してみてください。

シロアリ予防で炭を導入する際の費用と注意点

ここからは、それでも床下に炭を敷きたいという方に向けて、実際の費用感や購入先、そして不要になったときの処分方法などを整理していきます。炭はシロアリ駆除の代替にはなりませんが、湿気対策としての役割は期待できますので、正しい知識のもとで導入を検討してみてください。

床下炭はホームセンターで買えるのか

結論から言うと、床下炭はホームセンターで購入することが可能です。コーナンやコメリといった大手ホームセンターでは、床下用に袋詰めされた調湿炭が販売されています。ネット通販でも取り扱いが豊富で、Amazonや楽天市場で「床下 炭」「床下 竹炭」と検索すれば多くの商品がヒットします。

ホームセンターで購入する際のポイントとしては、必ず「床下用」として設計された製品を選ぶことが大切です。バーベキュー用の木炭などは調湿用に最適化されていないため、床下に敷いても十分な効果が得られません。床下用の製品は、不織布の袋に入ったマットタイプや、通気性のよいメッシュ袋に入ったものが多く、そのまま床下に設置できるようになっています。

なお、ホームセンターの店頭では取り扱いが限られている場合もあるので、事前に在庫を確認するか、店舗取り寄せやネット注文を活用するのがスムーズです。

床下に敷く炭の価格と費用の目安

床下に敷く炭の価格は、製品の種類や敷設面積によって大きく変わります。あくまで一般的な目安ですが、ホームセンターで販売されている袋入りの調湿炭は、4袋セットで2,000円〜3,000円程度のものが多いです。

一般的な戸建て住宅の床下全体(15〜20坪程度)に敷き詰める場合、製品にもよりますが数万円から十数万円程度のコストがかかると考えておいた方がよいでしょう。人気の高い「炭八」のような高品質な調湿炭を使う場合はさらに費用が上がり、15坪分で20万円を超えることもあります。

業者に炭の敷設を依頼する場合は、材料費に加えて施工費がかかります。施工費込みで1坪あたり1万円〜2万円程度が相場とされていますが、業者によって差があるため、必ず複数の見積もりを取って比較することをおすすめします。

なお、ここで挙げた価格はあくまで目安です。最新の価格や正確な見積もりについては、各メーカーや施工業者の公式サイトで確認してください。

不要になった床下の炭を処分する方法

床下に敷いた炭が劣化したり、リフォームなどで不要になった場合、処分方法に困る方も少なくありません。基本的に、床下用の炭は多くの自治体で「可燃ごみ(燃えるごみ)」として処分できます

ただし、一度に大量の炭を出す場合は、自治体のルールに従って少しずつ分けて出す必要があるかもしれません。自治体によっては「燃えないごみ」や「埋め立てごみ」に分類されるケースもありますので、お住まいの地域のごみ分別ルールを必ず事前に確認してください。

大量の炭を一度に処分したい場合は、不用品回収業者に依頼するという方法もあります。費用はかかりますが、自分で床下から運び出す手間や体力的な負担を考えると、状況によっては検討の価値があるかなと思います。

ちなみに、まだ使える状態の炭であれば、庭の土壌改良材として再利用することもできます。炭を土に混ぜると、土壌の排水性や保水性が向上するとされており、家庭菜園やガーデニングに活用している方もいます。

シロアリに炭が有効かを見極めるまとめ

ここまでの内容を振り返ると、シロアリの対策として炭だけに頼るのは心もとないということが見えてきたかと思います。炭には調湿効果があり、床下の湿度をコントロールすることで間接的にシロアリを寄せ付けにくい環境を作る可能性はあります。しかし、炭にはシロアリを忌避したり駆除したりする力はなく、炭を敷いているだけでは住宅を守ることはできません

大切なのは、炭による湿気対策と、専門業者による薬剤を使った防蟻処理を適切に組み合わせることです。一般的に防蟻薬剤の効果は約5年で切れるとされていますので、定期的なメンテナンスが欠かせません。

「炭を敷いたから大丈夫」ではなく、まずは専門業者に床下の状態を確認してもらい、必要な対策を正しく把握すること。それがシロアリから住まいを守る最も確実な方法です。正確な診断や費用については、必ず複数の専門業者に相談し、信頼できる業者を選んでくださいね。

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